2013年08月02

ミスカミスカ®物語 10

テーマ:ミスカミスカ
 ミスカミスカ®の抗糖化作用1:糖化反応とは 
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。古くより食品の調理・加工・貯蔵において食品の品質形成や劣化に関する成分間反応として注目されています。近年この反応は生体内でも起こり、糖尿病、動脈硬化、発ガン、老化、末端神経障害、肌のたるみ・弾力低下などにも関与することが明らかになり、食品以外の新しい分野の課題として研究が展開されています。
 ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。


糖化反応とは
 糖化反応は広く食品にみられる非酵素的褐変反応で、1912年にL.C.メイラードがはじめて明らかにしたことからメイラード反応とも呼ばれています。さらに、この反応はアミノ化合物とカルボニル化合物との間で起こるのでアミノカルボニル反応とも言われています。これらの化合物はともに食品や生体中に普遍的に存在する基本的に重要な成分です。


表1 食品・生体系における糖化反応とその影響 
反応物 反応関与因子    分野と影響

アミノ化合物
アミノ酸
タンパク質
 アミン類
 
カルボニル化合物
 還元糖
(グルコースなど)
 酸化生成物
(脂肪酸、フェノール
ビタミンCなどの)


 
温度
   pH
水分
酸素
光、放射線
共存物質
(金属イオン
ビタミン類
亜硝酸など)




 
1)食品調理・加工と貯蔵
  香気形成、褐変
  物性変化、抗酸化性

2)栄養生理
 アミノ酸の損失
 消化性低下
3)安全性
 毒性物質
 変異原の生成
4)生体内反応
  糖尿病、動脈硬化
  発ガン 老化
  肌のたるみ・弾力低下
 
  糖化反応は表1に示しますように、反応物のアミノ化合物とカルボニル化合物の種類だけでなく、温度、pH、水分、酸素、光、共存物質などの反応関与因子によっても大きく変動します。
食品系においては加工・調理・貯蔵の間で容易に起きる反応です。複雑な反応過程を得た後、メラノイジンと呼ばれる褐変物質を生成します。この反応は醤油や味噌のように食品固有の色調を形成する場合もありますが、果汁、粉乳、凍り豆腐などの褐変など多くの場合この反応によって食品の劣化が起こります。
一方、生体では各組織の機能は酵素反応で制御・運営されています。そのため酵素の関与しない糖化反応は制御しがたい異常反応です。この反応による異常生成物が細胞・組織に蓄積されると、重要な生体機能が妨げられ、ひいては疾病の発症、老化の促進をもたらします。

 
 次回から“ミスカミスカ®の抗糖化反応作用”について以下の項目を
順次紹介させていただきます。
1.食品の糖化反応 
2.生体内の糖化反応 
3.生体内の糖化反応と疾病
4.ミスカミスカ®の抗糖化反応
(文責 光永俊郎)
2013年06月18

ミスカミスカ®物語 9

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の腸内環境改善効果2:善玉菌の増殖促進作用
 ミスカミスカ®は抗α‐グルコシダーゼ活性とともに腸内細菌の善玉菌に対して直接増殖促進作用を持つことが培養試験と動物試験で示唆されています。ミスカミスカ®の利用により腸内環境改善効果とともに発ガン予防やアレルギー抑制効果が期待できます。

培養試験によるミスカミスカ®の善玉菌への増殖促進作用
 対照培地、グルコース添加培地、ミスカミスカ®添加培地を用いて乳酸菌およびビフィズス菌の培養試験を行ったところ、ミスカミスカ培地は他の2培地と比較して両善玉菌の増殖が認められました。ミスカミスカ®には善玉菌の増殖および代謝活性を選択的に刺激するプレバイオティクス的機能があると推測されます。

動物試験によるミスカミスカ®の腸内環境への影響
 試験動物としてラットを用いて腸内環境に及ぼす影響を検討しました。その結果、対照群に対してミスカミスカ®摂取群には明らかに盲腸内容物について 
①重量の増加 ②水分含量増加 ③pHの低下 ④アンモニア態窒素およびインドール、-クレゾールなど悪玉菌の産生する腐敗産物の低下 ⑤乳酸桿菌およびビフィズス菌の増加 ⑥クロストリジウムの減少
が認められました。
 さらにラットの糞の総乾燥重量について対照群と比較すると、ミスカミスカ®摂取群に重量増加が認められました。このミスカミスカ®摂取による排便量の増加の理由については、乾燥人糞の内容物は食物残渣が10~15%に対して腸壁細胞組織の離脱物と腸内細菌の残骸が85~90%を占めている事実より類推して、ラットがミスカミスカ®を摂取することにより腸の新陳代謝が活発になり、腸壁細胞組織の離脱が盛んになったとともに増殖した善玉菌の影響により排便量が増加したと考えられます。

腸内における乳酸桿菌、ビフィズス菌の機能
 乳酸桿菌、ビフィズス菌は腸内において以下のような働きをすると考えられています。
1.酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸を産生する。
  酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸が産生することで
(1)腸管の蠕動運動を亢進し、排便を促進することにより便秘を改善する。また、腸管内の浸透圧を高腸管からの水分泌を促進し、便量を増加させる。この作用により、便の滞留による腹痛や不快感を緩和させるとともに、便の腸内での滞留時間が短くなり、腐敗産物などの再吸収が抑制され、様々な大腸関連疾患の発症を軽減する。
(2)腸内のpHを低下させることで、

(ⅰ)悪玉菌の増殖を抑制する。そのことにより、アンモニア、アミン類などの腐敗物質、細菌毒素、発ガン物質など産生が低減される。
(ⅱ)サルモネラ、腸管出血性大腸菌などの病原性細菌の増殖を抑制する。
(ⅲ)短鎖脂肪酸は大腸粘膜の栄養源として利用され、大腸の機能を活性化する。

2.アレルギーを低減する。
この善玉菌によるアレルギー抑制機構の一つは、善玉菌の体構成成分によりTh1細胞が活性化され、免疫グロブリンEの産生を抑制することによるアトピー性疾患や花粉症などの即時型アレルギー反応を抑制する。
3.がんの発症を抑制する。
 
アレルギー反応を抑制するとともに免疫力を高めるために善玉菌がマクロファージの活性化や消化管関連リンパ系組織を介しての免疫グロブリンA産生を促進することによる大腸ガン、乳ガン、膵ガンなどの発症を抑制する。
(ⅰ)大腸ガン発症促進機序
脂肪の消化・吸収の補助の目的で小腸に分泌された胆汁の一部が大腸に送られ、その成分の一次胆汁酸(コール酸、デオキシコール酸)は大腸内で悪玉菌により二次胆汁酸(デオキシコール酸、リトコール酸)に代謝される。この二次胆汁酸が細胞増殖を亢進させることより、また、食品由来のコレステロールが悪玉菌により代謝されて産生した変異原物質が大腸粘膜細胞の遺伝子を傷害することにより、大腸ガンの発症が促進される。
(ⅱ)大腸ガン発症抑制機序 
善玉菌により産生した短鎖脂肪酸により腸管内のpHが酸性になり変異原活性が抑制されることにり、また、短鎖脂肪酸の酪酸が大腸粘膜細胞のアポトーシス亢進を引き起こすことにより、ガン発を抑制する。
ミスカミスカ®の効能
スカミスカ®に対する薬理試験、培養試験、動物試験により、ミスカミスカ®は乳酸桿菌やビフィズス菌などの善玉菌の増殖促進および腸内環境改善の機能があることが検証されました。ミスカミスカ®の利用により便秘の改善アレルギー低減大腸ガン発症抑制、さらに、大腸が体内最大の免疫臓器として機能し健康の発信源になることが期待できます。


                                                            (文責 光永俊郎)
 
2013年04月22

ミスカミスカ®物語 8

テーマ:ミスカミスカ

ミスカミスカ®の腸内環境改善効果1:抗α-グルコシダーゼの活性

ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)などの二糖類やオリゴ糖を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きのあることが薬理試験で検証されています。ミスカミスカ®を利用すると二糖類やオリゴ糖は小腸で消化・吸収されず、大腸に送られます。これらの糖は大腸で乳酸桿菌、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進して、腸内環境を改善し、アトピー性疾患の発症抑制や花粉症の軽減などのアレルギー抑制効果が期待できます。

腸は最大の免疫臓器
 腸は毎日摂取した食物を消化・吸収して、エネルギーを供給するとともに、生成した老廃物を排泄する重要な器官であることは周知のことです。さらに、最近になり、腸は粘膜に被われていますが、そこには巧妙でかつ柔軟性のある粘膜免疫システムが存在し、体内最大規模の免疫系として機能しており、この機能に大きな影響を与えているのが、腸、特に大腸に多量に生息している細菌群であることが明らかになりました。この細菌群は腸内細菌と呼ばれています。大腸の免疫機能は、腸内細菌との共生によってのみ、はじめて成立します。この共生が破綻しますとアレルギー、感染症、ガン、高血圧、肥満、便秘などの疾病や不調の発現のリスクが高まります。

腸内細菌
 ヒトの腸には約1,000種類以上、菌数にして100~1,000兆個の膨大な数の腸内細菌が、主に大腸に生息しています。これらの細菌は身体に有益に働く善玉菌、逆に悪影響を与える悪玉菌、普段はあまり影響を及ぼさない日和見菌の3種類に分けられます。善玉菌は乳酸桿菌ビフィズス菌で、腸内細菌の20、悪玉菌はウエルシュ菌を含むクロストリジウム大腸菌10、残りの70%は日和見菌が占めています。この217という比率が健康を保持する上で必要なバランスといわれています。問題は全体の約70%を占める日和見菌です。その名の通り、善玉菌、悪玉菌のいずれかが優位なると、すぐに強い方になびいていきます。日和見菌が善・悪玉菌のどちらかになびくことによって大腸の働きに変化が起こります。善玉菌が優位になると大腸内で発酵が起こり、腸内環境が改善されます。逆に悪玉菌が優位になると大腸内で腐敗が起こり、発ガン物質(ニトロソ化合物など)や発ガン促進物質(二次胆汁酸など)を産出します。これらの物質は直接腸管壁を介して血流に乗り、全身に送られて、免疫系に悪影響を与えます。

プロバイオティクスとプレバイオティクス
 ヒトの健康を保持・増進させる上で大切なことは腸内細菌の善玉菌をいかに優位に保つかということです。腸内細菌のバランスによって、大腸は健康の発信源にも病気の発信源にもなります。
 プロバイオティクスとは大腸を健康の発信源にする乳酸桿菌やビフィズス菌の善玉菌を指す言葉です。このプロバイオティクスすなわち善玉菌の栄養源となり、増殖や代謝活動を選択的に刺激する物質がプレバイオティクスです。代表的なプレバイオティクスは小腸で消化・吸収されないフラクトオリゴ糖などのオリゴ糖や難消化性デキストリンなどの食物繊維です。ミスカミスカRの利用により小腸で消化・吸収されず大腸に送られるマルトースやスクロースもプレバイオティクスとして機能します。

 
アレルギー
 アレルギーは一般には無害な生活環境中での物質(抗原)-食物タンパク質、花粉など-に対して免疫系が過剰あるいは異常に反応して発症する疾病です。皮膚炎、喘息、鼻炎、結膜炎など症状を発現する即時型のアレルギー反応で、すべて免疫グロブリンE(IgE)によって引き起こされます。

アレルギーと腸内細菌
 最近になりこの即時型アレルギー反応の低減には腸内細菌の刺激による免疫力の増進、免疫系の正常な発達が必要であることが明らかにされています。研究事例として、腸内細菌として乳酸桿菌とビフィズス菌が多く、ウエルシュ菌の少ない乳幼児と逆の悪玉菌が多く、善玉菌の少ない乳幼児とでは、明らかに前者のアレルギー発症率が低いこと、また、善玉菌による鼻炎、花粉症はじめ幼児の食物アレルギーの発症率が低いという報告が数多く発表されています。
 この善玉菌によるアレルギー抑制機構の1つは、善玉菌の体構成成分であるペプチドグリカンやリポタイコ酸が腸管上皮細胞の受容体を介してマクロファーを刺激しIL- 12産生が誘導され、Th1細胞/Th2細胞バランスがTh1細胞よりに傾き、IgEの産生を抑制することによると考えられています。

ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®はマルトース、スクロースやオリゴ糖を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きのあることが薬理試験で検証されていますミスカミスカ®を利用すると二糖やオリゴ糖は小腸で消化吸収されず、大腸に送られます。これらの糖は大腸でプレバイオティクスとして機能し、乳酸桿菌、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を促進して、大腸の免疫機能を改善し、皮膚炎、喘息、鼻炎、結膜炎などの発症抑制や花粉症の軽減などの即時型アレルギーに対しての抑制効果が期待できます
 
                              (文責 光永俊郎)
 
2013年03月08

ミスカミスカ®物語 7

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖尿効果:抗α-グルコシダーゼ活性
 
ミスカミスカ®はマルトース(麦芽糖)やスクロース(蔗糖)を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています。栄養素の炭水化物はグルコースなどの単糖にならないと小腸から吸収されて体内に入らないので、ミスカミスカ®の利用によりα-グルコシダーゼの活性が阻害されると、食後の過血糖が改善されて抗糖尿効果が期待できます。
糖尿病
 糖尿病は血糖値(血液中のグルコース濃度)が病的に高い状態を指す病名です。血糖値は、インスリン、グルカゴン、コルチゾールなどのホルモンの働きによって正常な人では常に一定範囲に調節されています。しかし、いろいろな原因によってこの調節機構が破綻すると血糖値が異常に高くなり、糖尿病を発症します。我が国での、糖尿病の診察基準は空腹時血糖126㎎/dl以上、随時血糖値200㎎/dl以上、ヘモグロビンA1c濃度(HbA1c%)6.5%以上です。糖尿病は調節機能の破綻の様式の違いにより1型と2型に分けられています。1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島のβ-細胞が破壊されて、インスリンの分泌が極端に低下するか、ほとんど分泌されなくなって発症します。その原因は主に自己免疫性です。患者の多くは10代から始まり、インスリン注射などの治療を常に必要とします。2型糖尿病は遺伝的因子と生活習慣が絡み合って発症します。治療は①生活習慣の改善(食事療法、運動療法)、②食事の際に炭水化物(ブドウ糖)の吸収を抑えて血糖値を上げない、③インスリン注射、といった3つの方法があります。
炭水化物(糖質)の消化・吸収
 私たちが毎日摂取する食事に含まれる炭水化物には糖質と食物繊維があります。前者は消化・吸収されて血糖となり、さらにエネルギー源になる炭水化物です。後者は消化・吸収されない炭水化物です。前者は大きく単糖類、二糖類、多糖類の3つに分けられます。単糖類は糖質の最小単位でグルコース (ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどがあります。二糖類は単糖が2つ結合したもので、マルトース(麦芽糖)、スクロース(蔗糖)、ラクトース(乳糖)などがあります。多糖類は多数の単糖が結合したもので、デンプンやグリコーゲンなどがあります。穀類、イモ類、豆類、種実類の代表的な糖質はデンプンで、グルコースが多数結合した高分子物質です。
 私たちが食事で炭水化物を摂取すると、グルコースなどの単糖は口から小腸まで変化なく、小腸の粘膜から直接吸収されて体内に入り血糖になります。マルトースなどの二糖類は口から小腸までは変化なく送られますが、小腸の粘膜のα-グルコシダーゼで単糖に分解されて吸収されます。もしこの酵素で分解されないと吸収されず、大腸に送られます。多糖類のデンプンは、先ず口で唾液中の酵素アミラーゼによって分解されて、その一部が二糖類のマルトースに分解されます。ご飯を口に入れてよく噛み続けると甘くなってくるのはマルトースができたからです。そして唾液の混ざったデンプンを含む食べ物は胃を通って小腸に運ばれると、膵臓から分泌された膵液中のアミラーゼによって完全に分解されてマルトースになり、小腸の粘膜のα-グルコシダーゼにより単糖のグルコースに分解され、吸収されて血糖になります。α-グルコシダーゼが働かないと吸収されずに大腸に送られます。食べ物中の糖質はすべて小腸で単糖にまで消化されないと吸収されずに大腸へ送られるため血糖にはなりません。
ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®には薬理試験の結果マルトースやスクロースの二糖類を分解する酵素のα-グルコシダーゼの活性を阻害する働きがあることが検証されていますミスカミスカ®の利用により小腸粘膜のα-グルコシダーゼの活性が阻害されると、二糖類や多糖類のデンプンは消化吸収されませんので、血糖の上昇が抑制されて、食後の過血糖が改善され、抗糖尿効果が期待できます。
 
                             (文責 光永俊郎)
 
2012年12月21

ミスカミスカ®物語 6

テーマ:ミスカミスカ

ミスカミスカ®(MISKAMISKA®)の皮膚の美容・アンチエイジング効果(まとめ)

 ミスカミスカ®は皮膚の真皮の構成成分のヒアルロン酸、エラスチン、コラーゲンを分解する酵素ヒアルロニダーゼ、エラスターゼとコラゲナーゼ(MMP-1)の活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用によりこれらの構成成分の分解が抑制されて、皮膚の保湿、ハリ保持、弾性維持による肌の美容・皮膚のアンチエイジング効果が期待できます。


皮膚の構造
 皮膚は身体の外表面を覆う重要な器官です。その構造は下図に示すように表層部から内側に表皮、真皮、皮下組織の3つに分けられます。
 表皮は皮膚の一番外側にあり、角質層、顆粒層、有棘層(ユウキョクソウ)、基底層の4つの層からなっています。表皮の最下層の基底層の細胞は細胞分裂により次々に新しい細胞を作り出しています。作られた細胞は上の層の有棘層に移り、有棘細胞になります。有棘細胞はケラチンタンパク質を作りながら水分を失い顆粒細胞になり、顆粒層に移ります。さらにこの顆粒細胞は皮膚の最上層の角質層に移ります。その際に核やミトコンドリアなどの細胞内器官が無くなり、ケラチン線維だけになり、角質層を形成します。古くなった角質層は順次剥がれ落ちます。このような新陳代謝により約28日間で表皮は常に新しく生まれ変わります。表皮の厚さは平均0.2㎜ですが、紫外線、細菌、ウイルス、化学物質、アレルゲンなどから身体を守る防御・保護機能があります。また、保水機能を持っていて、20~30%の水分を含んでいます。この水分が20%以下になると乾燥肌になります。

 
 真皮は、表皮の基底層の下に位置して、表皮の10倍の約2㎜の層よりなっています.
真皮の組織は、その殆どがタンパク質線維と基質で構成されています。 タンパク質線維はコラーゲン線維とエラスチン線維の2種類で、コラーゲン線維が真皮の70%を占めていて、網目状の構造をして、皮膚に強さとハリを与えています。エラスチン線維はタンパク線維の約2%程度を占めていますが、コラーゲン線維に絡むように存在して皮膚に弾力性を与える弾性タンパク質で、この両タンパク質線維が皮膚のクッションの役割を果たしています。このクッションの間を充たしているのが基質で、その主成分がムコ多糖のヒアルロン酸です。ヒアルロン酸はタンパク質と結合してプロテオグルカンを形成して、ゼリー状になっています。1gのヒアルロン酸は6Lもの水分を抱えることができます。そのため真皮中の水分のほとんどを基質が含んでいて、皮膚の水分を保持して、肌の保湿を維持しています。また、数は少ないですが真皮には繊維芽細胞が存在して、この細胞がコラーゲン線維、エラスチン線維、ヒアルロン酸を作り出しています。
 皮下組織は真皮の下にある組織で、脂肪を貯えていて、エネルギーの貯蔵的役割と外部からの衝撃に対するクッションと体温の調整の役割を果たしています。皮下組織の厚みは組織のほとんどを占める脂肪の量で左右され、身体の部位により大きな差がありますが、顔の皮下組織の厚みは約2㎜程度です。
 このように皮膚の一番外側の表皮は外部刺激から肌を守る役割をして、常に新しく再生されています。それに対して真皮は肌のハリ・弾力・強度。保湿の基となっていて、その構成成分のコラーゲン線維、エラスチン線維、ヒアルロン酸が減少すると、皮膚にシワ、タルミが生じ、潤いが失われます。その下の皮下組織は脂肪を貯え、エネルギー貯蔵、クッション、体温調整の役割をしています。

ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®には薬理試験の結果により皮膚の真皮の構成成分のヒアルロン酸、エラスチン、コラーゲンを分解する酵素ヒアルロニダーゼ、エラスターゼとコラゲナーゼ(MMP-1)の活性を阻害する働きがあることが薬理試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用によりこれらの構成成分の分解が抑制されて、皮膚の保湿、ハリ保持、弾性維持による肌の美容・皮膚のアンチエイジング効果が期待できます。

 

                             (文責 光永俊郎)

 

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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