2014年07月11

ミスカミスカ®物語 15

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用6:血液の糖化反応およびミスカミスカ®効用
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。この反応は生体内でも起こり、老化、糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などにも関与することが明らかになりました。ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。
血液と生体内糖化反応
生体内糖化反応で産生したAGEsは種々の疾病の発症と老化現象を促進します。この生体内での糖化反応に最も大きく影響を与えるのは血液ですので、はじめに血液と血液の糖化反応について紹介します。
血液
 ヒトの血液は体重の約8%(成人で約5ℓ)を占めています。全血液は1分間に1回の速さで全身を循環しています。その機能は以下のように多岐にわたります。
(1)呼吸作用:酸素を肺から体内の各組織に運び、二酸化炭素を肺に運搬する。
(2)栄養作用:①栄養素(糖、脂質、アミノ酸・タンパク質など)を各組織に運搬する。
            ②各組織に必要な栄養素を必要に応じて供給できるよう血液成分として保存する。
(3)排泄作用:各組織の終末産物を運搬する。
(4)調節作用:①身体のpH、体温、水分含量を調節する。
            ②内分泌腺から分泌されたホルモンを各組織に運搬します(機能の調節)
(5)保護作用:①疾患や異種物の侵入に対して防御と出血を防ぐ血液凝固を行う。
 
これらの働きをする血液成分は、約45%を占める有形成分(血球部分)と残りは無形成分(血漿部分)です。
 有形成分は赤血球(96%)、白血球(3%)、血小板(1%)から成っています。この成分のうち主成分の赤血球は中央に凹みのある円板状を呈し、大きさは直径7~8.5μm、厚さは中央部1μm、周辺部2μmで、主成分は酸素や二酸化炭素を運搬するヘモグロビン(Hb)です。
ヘモグロビンはグロビンというタンパク質と鉄を含む化合物のヘムからできています。
 無形成分は血漿と呼ばれ、タンパク質、糖質、脂質、尿素などの有機化合物とNa、K、Ca、Clなどの無機イオンや炭酸水素イオンなど、いろいろの物質が溶け込んでいます。血漿は約91%の水分を含みます。固形成分は約9%で、そのうちタンパク質(血清タンパク質)はフィブリノーゲン・アルブミン・グロブリンなどで約7%です。その他の有機化合物は約1%、無機物は1%です。 
また、血漿中には糖質としてグルコースが含まれ、血糖と呼ばれています。その含量は健常者では空腹時血糖値100㎎/dℓ未満、食後2時間140㎎/dℓ未満です。
血液成分の糖化反応
 血液中の糖化反応にかかわる成分として、主なアミノ化合物はヘモグロビンおよび血清タンパク質のアルブミン、グロブリンやリポタンパク質のアポタンパク質などです。カルボニル化合物はグルコース(血糖)および脂質やグルコースなどが酸化ストレスやカルボニルストレスにより生成したメチルグリオキサールなどのカルボニル化合物です。これらの化合物によって血液中では常に糖化反応が起こっています。
ヘモクロビンの糖化反応 
ヘモグロビンを構成しているタンパク質のグロビンにはα-鎖、β-鎖、γ-鎖、δ-鎖の4種類のサブユニットがあり、この中の2種類のサブユニットが2個ずつ結合した4量体としてヘモグロビンに存在しています。成人のヘモグロビンの主成分はヘモグロビンA0(HbA0 α-鎖、2本とβ-鎖2本)とヘモグロビンA2(HbA2 α-鎖2本とδ-鎖2本) 約2%およびヘモグロビンF(HbF α-鎖2本とγ-鎖2本) 約0.5%です。その他に健常者ではヘモグロビンA1(HbA1)が約7%含まれています。このHbA1はHbA0のグロビンのβ-鎖が糖化されたもので、結合した糖の種類によってHbA1a1 、HbA1a 、HbA1b HbA1cに分画されます。最も多いのはβ-鎖のN末端のバリンにグルコースが結合したHbA1cです。健常者では総ヘモグロビンの約4%を占めています。
血清タンパク質の糖化反応
 血清タンパク質のアルブミンとグロブリンも糖化反応を受けて、血液中に糖化血清タンパク質(フルクトサミン)として、健常者では220~300μmol/ℓ含まれています。
リポタンパク質のアポタンパク質の糖化反応
 脂質(中性脂肪、コレステロールなど)それ自体は水に溶けにくいので、血液中ではタンパク質(アポタンパク質)と結合して分子複合体(リポタンパク質)として存在しています。リポタンパク質は脂質とタンパク質の割合によって、血液中にはキロミクロン、超低密度リポタンパク質(VLDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)の4種類が存在します。これらのリポタンパク質の構成成分のアポタンパク質もその一部は糖化反応を受けて、糖化アポタンパク質として存在します。
血液成分の糖化反応とミスカミスカ®の効用
 血液中では常に糖化反応が起こっていて、血液には糖化ヘモグロビンHbA1c糖化血漿タンパク質フルクトサミンおよび糖化アポタンパク質などの糖化最終生成物AGEsが存在しています。成人の血液量は約5ℓで、一分間に全身を1循環します。一日では1440回延べ7200ℓの血液が全身を循環しますので、全身の各臓器、組織はいつもAGEsに接していることなります。このAGEsは動脈硬化はじめ種々の疾病の発症と老化現象を促進する恐れがあります。
ミスカミスカ®は血清タンパク質を用いてのin vitro抗糖化試験において、合成糖化反応阻害剤のアミノグアニジンより5.8倍も高いAGEs生成阻害作用があることが検証されました。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。

 
                                                   (文責 光永俊郎)
2014年05月14

ミスカミスカ®物語14

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用5:in vitro抗糖化試験結果
生体内ではすべての組織でグルコースや脂質とタンパク質は常に接触していますので、
両成分間による糖化反応が起こり、安易に最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)が産出されます。このAGEsは老化や肌のたるみ・弾力低下はじめ糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などの発症の原因になります。生体内では、非酵素的反応である糖化反応の影響を避けることができません。ミスカミスカ®について生体内でのこの反応においてAGEsの生成を阻害する働きがあることをin vitro抗糖化試験で検証しました。その結果を紹介します。

 
ミスカミスカ®の抗糖化作用 
生体内糖化反応に対してミスカミスカ®の抑制作用を検証するために下記に示す
3種類の反応系でin vitro抗糖化試験を行いました。


1)グルコースヒト血清アルブミン系の糖化反応
この反応系でミスカミスカRが蛍光性AGEsの生成を抑制するか、陽性対照として
アミノグアニジンと比較して、ミスカミスカ®の抗糖化活性を測定しました。


2)グルコース・タイプIコラーゲン系の糖化反応1
この反応系でミスカミスカ®が蛍光性AGEsの生成を抑制するか、陽性対照として
アミノグアニジンと比較して、ミスカミスカ®の抗糖化活性を測定しました。


3)グルコースタイプIコラーゲン系の糖化反応2
この反応系でミスカミスカ®がAGEsの一種であるNε-(carboxymethyl)lysine
(CML)の生成を抑制するか、陽性対照としてアミノグアニジンと比較して、
ミスカミスカ®の抗糖化活性を測定しました。

 
アミノグアニジン
アミノグアニジンは図1に示すような構造式を持つ合成化合物です。この化合物の薬理作用についてはin vitroでの抗糖化試験ではAGEsの生成抑制とタンパク質の架橋・重合反応の抑制効果が認められています。また、動物試験においても腎症、網膜症、神経障害に対する予防・進展阻害効果のあることが確認されています。
 
                   H2N-NH-C=NH
                         |
                        NH2
               図1 アミノグアニジンの構造式 
 

 さらに1型糖尿病患者に対する臨床試験において、尿タンパク排出量の有意な減少、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の低下などの有用性が報告されています。アミノグアニジンは現在知られている糖化反応阻害剤の中で最も有効な物質です。しかし現在は副作用があるため実用化されていません。
 
1)グルコース‐ヒト血清アルブミン系の糖化反応
カルボニル化合物としてグルコース、アミノ化合物としてヒト血清アルブミン(HSA)を用いて糖化反応を行い、生成される蛍光性AGEsに対するミスカミスカの生成阻害作用を陽性対照としてアミノグアニジンと比較しました。

結果
 1に示すように抗糖化活性IC500.012/mLで、陽性対照としてのアミノグアニジン0.070/mLと比較して、5.8倍高い活性を示しています。
 
表1 抗糖化活性(グルコース-HSA系 蛍光性AGEs)
   試料  抗糖化活性IC50 (㎎/mL)
 ミスカミスカ®
 アミノグアニジン
   0.012
   0.070
 
 
 
2)グルコースタイプIコラーゲン系の糖化反応
カルボニル化合物としてグルコース、アミノ化合物としてタイプIコラーゲンを
用いて糖化反応を行い、生成される蛍光性AGEsに対するミスカミスカの生成阻害作用  
を陽性対照としてアミノグアニジンと比較しました。


結果
2に示すようにミスカミスカ®抗糖化活性IC500.021/mLで、陽性対照としてのアミノグアニジン0.168/mLと比較して、8倍高い活性を示しました。
 
表2 抗糖化活性(グルコース-コラーゲン系 蛍光性AGEs)
   試料  抗糖化活性IC50 (㎎/ml)
 ミスカミスカ®
 アミノグアニジン
   0.021
   0.168
 
 
 
3)グルコースタイプIコラーゲン系の糖化反応
カルボニル化合物としてグルコース、アミノ化合物としてタイプIコラーゲンを
用いて糖化反応を行い、生成されるAGEsの一種であるNε-(carboxymethyl)lysine
(CML)に対する生成阻害作用を陽性対照としてアミノグアニジンと比較しました。
3に示すようにミスカミスカ®抗糖化活性IC500.0065/mLで、陽性対照としてのアミノグアニジン0.1600/mLと比較して、24.6倍の極めて高い活性を示しています。

 
表3 抗糖化活性(グルコース-コラーゲン系 抗CML活性)
試料  抗糖化活性IC50 (㎎/ml)
ミスカミスカ®
アミノグアニジン
    0.0065
    0.1600
 
 
     
ミスカミスカ®の効能
ミスカミスカ®in vitro抗糖化試験において、合成糖化反応阻害剤のアミノグアニジンより極めて高いAGEs生成阻害作用があることが検証されました。ミスカミスカ®の摂取により、生体内での糖化反応が阻害され、糖尿病、動脈硬化、心臓疾患、認知症、ガン、腎臓疾患、末端神経障害などの発症抑制、さらに皮膚の弾性やハリが保持されて、皮膚の美容・アンチエイジング効果が期待できます。
 


ミスカミスカ®のin vitro抗糖化試験はすべて下記の機関による結果です。
同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター内
エイキット株式会社 生命医科学検査センター 
(住所:〒610-0394 京都府京田辺市多々羅都谷1-3医心館4F) 

 
                                                         (文責 光永俊郎)
2014年02月07

ミスカミスカ®物語 13

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用4:生体内糖化反応2
生体内ではすべての組織でグルコースとタンパク質は常に接触していますので、
両成分間による糖化反応が起こり、安易にAGEsが産出されます。このAGEsは老化や
肌のたるみ・弾力低下はじめ糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などの発症の原因になります。生体内では、この非酵素的反応である糖化反応の影響を避けることができません。 ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物((Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®
の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。

生体内糖化反応機構
生体内の糖化反応も反応機構はPDF図1に示すように食品の場合と同じですが、反応出発物のカルボニル化合物はグルコースで、一方のアミノ化合物はタンパク質に限られます。また、反応条件は食品系に比べて極めて温和です。
 
生体内の糖化反応の初期段階はグルコースとタンパク質を構成しているアミノ酸の中の
N末端アミノ酸のアミノ基、リジン残基のε‐アミノ基、アルギニン残基のグアニジノ基とのシッフ塩基の形成から始まります。次いでアマドリ転移によるアマドリ生成物です。 

 この生成物は中間段階で脱水、加水分解、炭素間の開裂により、不安定な反応性に富んだグルコソン、グリオキール(GO)3-デオキシグルコソン(3-DG)、メチルグリオキサー(MG)などのα‐ジカルボニル化合物になります。特に3-DGMGはグルコースの10000倍の反応性を有します。この化合物は脂質の過酸化によっても生成します。
これらのジカルボニル化合物は終期段階でタンパク質の未反応のアミノ酸残基のN末端アミノ基、ε‐アミノ基、グアニジノ基などに作用して種々のAGEsを生成します。      
現在までに明らかにされているAGEsには非架橋性のAGEsと架橋性のAGEs の2種が認められています。
前者はPDF図2に示すCML (Nε-carboxylmethyl lysine Nε-カルボキシメチルリジン),
CEL(Nε-carboxylethyl lysine  Nε-カルボキシエチルリジン), CMA(カルボキシメチルアルギニン((carboxylmethyl) arginine)、ピラリン(pyrraline) はじめイミダゾロン(imidazolon)などです。
後者はPDF図3に示すクロスリン(crossline)、ピロピリジン(pyropyridine)、ペントシジン(pentosidine)はじめグリオキザール-リジンダイマー(glyoxal-lysine dimer)、メチルグリオキザール‐リジンダイマー(methyl-glyoxal-lysine dimer)などです。
 
 このような生体内の糖化反応により産生したAGEsが蓄積することによって、さまざまな疾病が発症します。それとともに、逆に糖尿病のような疾病の発症に伴って糖化反応が促進される場合もあります。
 
                             (文責 光永俊郎)
2013年12月20

ミスカミスカ®物語 12

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用3:生体内糖化反応1
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。古くより食品の調理・加工・貯蔵において食品の品質形成や劣化に関する成分間反応として注目されています。近年この反応は生体内でも起こり、老化、糖尿病、動脈硬化、発ガン、肌のたるみ・弾力低下末端神経障害などにも関与することが明らかになりました。
 ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。

生体内糖化反応
 生体内糖化反応にかかわるカルボニル化合物は主に食事を通して摂取した炭水化物(糖質)が消化・吸収されて、血液中に取り込まれたグルコース(血糖)です。このグルコースは生命を保持するに必要なエネルギー源として利用されるために、血液によって生体内のすべての組織に供給されています。
 一方アミノ化合物は生体内糖化反応ではほとんどタンパク質に限られます。タンパク質は、ヒトの身体には5万~10万種類も存在しています。表1に示すように、生体の主な機能はすべてこれらのタンパク質が担っている言えるほど多くの働きをしています。

 
  表1 糖化反応を受ける生体中の主なタンパク質
 
機能       タンパク質の種類
輸送………アルブミン・リポタンパク質・ヘモグロビン・トランスフェリン
貯蔵……….フェリチン・ヘモジデリン 
 
構造……….コラーゲン・ケラチン
防御免疫.....グロブリン・血液凝固因子(フィブリノーゲン、プロトロンビンなど)
運動……….アクチン・ミオシン
酵素……….ペプシン・トリプシン・アミラーゼ・リパーゼ
ホルモン….インスリン・成長ホルモン・パラトルモン
その他…….ヒストン・カルモジュリン・受容体・膜輸送体
 
これらのタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。アミノ酸は分子内に
それぞれカルボキシル基とアミノ基の両方をもっています。この両基の反応によって生成する酸アミド結合によって、多数のアミノ酸が結合して、図1に示すような高分子化合物のタンパク質が形成されています。
生体内の糖化反応では、これらのタンパク質を構成しているアミノ酸のうち、反応に関与します部位はPDF図1に示すタンパク質のN末端アミノ基とPDF図2に示すタンパク質構成アミノ酸の中のリジン残基のε-アミノ基とアルギニン残基のグアニジノ基、さらにトリプトファンのインドール基です。
Rの先端のうち:リジン残基ではε-アミノ基、アルギニン残基のグアニジノ基トリプトフ
ァンのインドール基が糖化反応に関与します
             
生体内ではすべての組織でグルコースとタンパク質は常に接触していますので、
グルコースとタンパク質のN末端アミノおよびリジン残基ではε-アミノ基、アルギニン残基のグアニジノ基トリプトファンのインドール基との間で糖化反応が起こり、AGEsが産出されます。これが老化や肌のたるみ・弾力低下および糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などの発症の原因になります。生体内では、この非酵素的反応である糖化反応の影響を避けることができません。

 
                               (文責 光永俊郎)
2013年09月19

ミスカミスカ®物語 11

テーマ:ミスカミスカ
ミスカミスカ®の抗糖化作用2:食品の糖化反応
アミノ基を有するアミノ酸やタンパク質とグルコースなどのカルボニル化合物との間で容易に起こる非酵素的化学反応は糖化反応と呼ばれています。古くより食品の調理・加工・貯蔵において食品の品質形成や劣化に関する成分間反応として注目されています。近年、この反応は生体内でも起こり、老化、糖尿病、動脈硬化、ガン、末端神経障害などにも関与することが明らかになり、食品以外の新しい分野の課題として研究が展開されています。
 ミスカミスカ®は生体内でのこの反応において最終糖化産物(Advanced Glycation Endproducts AGEs)の生成を阻害する働きがあることがin vitro抗糖化試験で検証されています。ミスカミスカ®の利用により種々の疾病の発症抑制、さらにアンチエイジング効果が期待できます。

食品の糖化反応
食品の糖化反応機構は図1に示すごとくです。反応は初期段階、中間段階、終期段階と3段階に分けられて説明されています。初期段階では無色であり、中間段階では無色から淡黄色に、後期段階で褐色色素のメラノイジンを生成します。そのため食品では糖化反応は非酵素的褐変反応とも呼ばれています。
 
     H                           H 
       l                             l
       R-C-CHO+R’-NH2⇔R-C-CH=NR’R-C-CH2-NH-R’ (初期段階)
                    l                     l                     l  l 
                OH                      OH                   O
      カルボニル+アミノ⇔シッフ塩基 → アマドリ生成物・・・・・・初期段階
      化合物    化合物    ↓    ↓        
                                                       開裂生成物・・・・・・・・中間段階
                          ↓ 
                 糖化最終生成物(メラノイジン)・・・・終期段階

    
                   図1食品の糖化反応機構 
 
初期段階は、まずアミノ基の窒素原子がカルボニル基の炭素原子への求核的反応による
C-N結合の生成から始まります。この反応は非酵素的に常温で安易に起こります。最初の反応はシッフ塩基の生成で、これは容易に加水分解される可逆反応です。さらにアマドリ転移によってアマドリ転移生成物を与える段階までです。 
 中間段階は、シッフ塩基もしくはアマドリ転移生成物が分子開裂を起こして、これらから1,2-または2,3-エノール化が起きてα-ジカルボニル化合物などの化学的に不安定な開裂生成物(オソン類など)を与える段階です。
 終期段階は、中間段階で生成したオソン類は出発物質のグルコースなどより反応性が高く、アミノ化合物と反応およびそれらの間での重合反応により糖化最終生成物(褐変物質メラノイジン)を生成する段階です。
メラノイジンは単一化合物でなく、窒素、酸素を含む複雑な構造単位からなる化合物で、その全構造は未だ明らかにされていません。 
食品系の糖化反応では好ましい品質形成は醤油、味噌などの褐変と調理・加工の加熱時に生成する香りです。特に香気成分の生成は、ピーナッツ、ゴマ、コーヒーなどの焙煎時の香り、クッキーや焼き肉の香りなど、それぞれに食欲をそそる独特の香りです。これは糖化反応の過程で生じたα-ジカルボニル化合物とアミノ酸が脱水縮合してできた化合物が、さらに酸化的脱炭酸化を受けて、アルデヒド類、ピラジン類、フラノン類の生成によります。これらは糖化反応の副反応ですが、この反応はストレッカー分解と呼ばれています。しかし、食品系の糖化反応は多くの場合、食品の褐変、アミノ酸の消失によるタンパク質の栄養価の低下、消化率の低下、変異原の生成など食品の劣化反応です。
 
 (文責 光永俊郎)

プロフィールPROFILE


光永 俊郎(みつなが としお)

農学博士。TOWA CORPORATION株式会社 学術顧問、近畿大学名誉教授、日本穀物科学研究会幹事、日本栄養・食糧学会(評議員・終身会員) 。2011年瑞宝小綬章授章。

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